2025年度高校入試を振り返って
さる3月12日、公立高校一般入学者選抜の学力検査が実施され、21日に合格発表がありました。
今年からネットで出願となり、合格発表もネットで、しかも本番の点数まですぐ見ることができるようになりました。便利になった反面、昭和世代の私としては、貼り出される受験番号の前での悲喜こもごものドラマが無くなり、一抹の寂しさも感じてしまいます。
今回の入試の全日制の全体の平均倍率は1.02倍。私立高校の授業料完全無償化の影響を受け、一昨年度1.13倍、昨年度1.05倍からさらに下がりました。文理学科設置のTOP10校においても、昨年度1.35倍に対して今年度1.30倍と0.5ポイントのダウン。また、一般選抜においては、半数以上の65校が定員割れとなりました。なかでも地域の2番手校である寝屋川、八尾が定員割れとなったのは、衝撃的なニュースとして取り上げられていましたのでご覧になった方も多いかと思います。
大阪府は2028年度入試から「選抜日程の1本化」「複数校を志望可能」など、制度改革を進めていますが、それで公立離れに歯止めがかかるかどうか、個人的には微妙だと思っています。とはいえ、四條畷1.44倍、春日丘1.46倍、旭高校1.24倍等、人気校は依然高倍率です。生徒の皆さんは志望する高校へ行けるよう、弛まぬ努力を続けていきましょう。開智総合学院全教室では、TOP10校合格者39名(史上最多更新!)、公立高校合格者115名(特別選抜合格者含)でした。もちろん生徒達が最後まで頑張った結果ですし、上記の全体的な倍率ダウンの影響もあるかと思います。また、四條畷や東などの人気校で、複数名の不合格者も出しています。まだまだ力不足。教訓をまた今年度の指導に生かし、今年の中3生全員を志望校合格まで導けるよう、研鑽していきたいと思います。
それでは今回の公立高校入試問題について、教科毎に分析していきたいと思います。なお英数国については、多くの受験生が解くことになるB問題(標準)とC問題(発展)についてのみ触れます。
国語
B、Cともに平年並みの難易度。B問題では哲学、C問題では芸術論の長文の内容が少し難しかったかと思いますが、設問自体は例年通りの標準的な問題でした。Bでは例年の漢文ではなく、敬語についての出題がありましたが易しい問題でした。作文はB、Cいずれもグラフが示され、そこから「読書のよさ」「日本語の特徴」について書く問題。テーマとしては書きやすく、またグラフで具体例が示されているのでそれを手がかりにすれば時間内にきっちり書けたかと思います。

数学
B、C問題ともに昨年と比べ難化。形式は例年通りでBは大問4題、Cは大問3題で、内容も小問集合、関数、図形とバランスよく出題されていました。難化したとはいえ、解きやすい問題と解きにくい問題とがはっきり分かれているような感じで、解けそうな問題にきちんと時間を割き、確実に正解していけば合格ラインに達すると思います。また過去出題された問題と同様の考え方で解くものも多かったので、過去問演習を徹底した子にとっては比較的解きやすかったのではないでしょうか。
英語
B問題は平年並みの難易度。ただし分野ごとに見ると、長文問題は易化、文法問題や課題英作文は難化しています。文法問題では「原型不定詞」「後置修飾」「関係代名詞」「間接疑問文」が一部複合して出題され、間違いやすかったのではと思います。
C問題も平年並みの難易度。分野ごとでは、文法問題は例年並み、長文問題は、文章が少し短くなった分時間配分が楽になったかと思います。その代わり自由英作文は難化しました。いつもより抽象的な出題であり、また内容に沿って書く必要があったので苦戦した生徒も多かったのではと思います。
ほとんどの子は、本番の得点が英検2級の最低保証(72点)を下回るので、依然として2級の効果は大きいです。C問題を採用している高校の受験を考えている生徒は、ぜひ2級取得を今後の学習計画の中に組み込んで欲しいと思います。

理科
昨年並みの難易度。生物、地学、物理、化学のそれぞれで大問1つずつ、という構成は例年通りで、小問の数は昨年よりやや減少しました。水溶液の計算問題で難易度高めの問題が出題されていましたが、全体的には単純な語句を問う問題、選択問題が多く出題されていて、記述問題も易しめです。問題文の量も過去に比べ少なめですが、40分で全て解ききり、見直しまで行うには「設問を先に読み、問題文中から必要な情報を探す」ことに慣れておく必要があります。まずはカイコベで渡している「フォレスタゴール」で基礎基本を完璧にすることから始めていきましょう。
社会
難易度は易化。昨年と同様大問4つ全てでグラフや資料の読み取り問題が出題されています。配点は90点満点中20点分。複数資料と自分の知識とを結びつけて記述する問題ですが、落ち着いて取り組めば正解できたはずです。内容としては、以前よく出題されていた問題(ODA、ボーキサイト、尾形光琳等)がまた出題された、という印象です。過去問は10年分くらいやっておくとよいかもしれません。公民については単なる語句の暗記だけでなく、それぞれの意味、役割等まで勉強しておく必要がありました。また、選択肢の問題の多くが複数解答だったため、一つだけ選んで安心しないよう、問題文の見直しは必須です。
教科書と塾の教材、過去問で満点は狙えます。あれこれ余計な教材に手は出さずに、あるものをきっちりやりきりましょう。

総評
全体的に見ると、国数英は平年並みか若干難化、理社は易化、という印象です。出題形式や傾向自体は大きく変化することはなく、やはり最後の最後まで入試過去問や模試の演習、直しを徹底した生徒が結果を出せるテストだろうと思います。 新中学3年生の皆さんは、いよいよ「受験生」。1年後には、ほとんどの場合高校生となるわけですが、その時志望校の門をくぐれるかどうかは、この1年間の努力にかかっています。まずは土台となる「単語・漢字や重要用語の暗記」「公式や法則の暗記、理解」をコツコツと!入試説明でも触れたとおり、受験勉強ができる時間は限られています。1年後を見据え、今できることに積極的に取り組みましょう!
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